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神経を抜いた歯の寿命が短くなるって本当?歯髄の役割と抜髄が必要になるケースについて解説

歯の神経は、歯に栄養を届けたり痛みを感じて異常を知らせたりなど、大切な役割があります。しかし、虫歯などが原因で、やむを得ず神経を抜かなければならないケースも。

この記事では、歯の神経の役割と神経を抜いた歯の寿命が短くなると言われる理由、どのような場合に神経を抜く必要があるのかを解説します。

 

歯の神経の役割ってなに?

一般的に「歯の神経」と呼ばれているものは、正確には「歯髄(しずい)」と言います。歯髄は、歯の内部にある神経と血管が集まった組織です。歯の中心部にある「歯髄腔(しずいくう)」という空間を満たし、歯の根の先にある小さな穴(根尖孔:こんせんこう)を通じて、顎の骨の中の神経や血管とつながっています。

歯の神経(歯髄)は、主に4つの大切な役割があります。

●歯に栄養を届けて強くする

歯髄の中には神経だけでなく血管も通っています。この血管を通じて歯に酸素や栄養を供給し、老廃物を運び出しています。
歯が硬く丈夫さを保てるのは、歯髄が栄養を運び、新陳代謝を行っているおかげです。

●歯の健康的な白さを保つ

歯は、表面を覆う半透明のエナメル質と、その内側にある象牙質(ぞうげしつ)で構成されています。
私たちが普段見ている歯の色は、エナメル質を通して透けて見える象牙質の色です。

歯髄は象牙質に栄養を届け、自然な白さを維持する働きをしています。
神経を抜くと歯が黒ずんで見えてしまうことがあるのは、象牙質への栄養供給が途絶え、変色が起こるためです。

●痛みを感じて歯の異常を知らせる

痛みは体に異常が起きていることを知らせる大切なサインです。歯の神経は虫歯や歯周病、歯のひび割れ、知覚過敏など、トラブルを痛みとして私たちに知らせてくれます。
神経を抜くと痛みを感じなくなるため、虫歯などの進行に気づきにくくなります。

●細菌から歯を守る

歯髄には、免疫細胞が存在し、外部から侵入しようとする細菌(虫歯菌など)から歯を守る働きがあります。
神経を抜いた歯は、この防御機構を失うため感染のリスクが高まります。

 

歯の神経を抜くと寿命は短くなる?その理由とは?

虫歯などが原因で歯の神経(歯髄)を取り除く治療を「抜髄(ばつずい)」と言います。
神経を抜いた歯は、「失活歯(しっかつし)」と呼ばれます。失活歯は見た目には健康な歯と変わりませんが、内部では水分や栄養が供給されなくなり、神経のある歯(生活歯)と比べて寿命が短くなってしまいます。

ここでは、歯の神経を抜いた歯の寿命が短くなる理由を解説します。

●虫歯の進行に気づきにくいため

神経を抜いた歯は、痛みを感じることができません。
そのため、虫歯になっても気づきにくく、気づいた時には虫歯がかなり進行してしまっていることがあります。

●歯がもろくなり、割れやすくなるため

失活歯は、歯の神経と一緒に栄養や水分を供給する血管も取り除かれるため、栄養不足の状態になります。
その結果もろくなり、日常生活での噛む力や歯ぎしり、食いしばりなどによって割れたり、欠けたりしやすくなります。

●被せ物と歯の境目から虫歯になりやすいため

神経を抜いた歯は、被せ物(クラウン)や詰め物(インレー)で補われます。
しかし、天然歯と被せ物や詰め物の間には、どうしてもわずかな隙間や段差ができてしまいます。この隙間や段差は、歯ブラシが届きにくく、汚れがたまりやすいため、虫歯のリスクが高まるのです。

●細菌感染を起こしやすいため

神経を抜いた歯は、免疫細胞が存在しないため、細菌に対する抵抗力が弱くなります。
根管治療で取り残された細菌や治療後に新たに侵入した細菌によって、歯の根の先で感染が起こってしまうことがあります。

 

神経を抜かなくてはいけない時とは?

前の項でご説明したように歯の神経には大切な役割があり、神経を抜くことにはデメリットがあります。できることなら、神経は残した方が良いのは確かです。

しかし、残念ながら状況によっては、歯の神経を抜くという選択をせざるを得ない場合があります。ここでは、歯の神経を抜かなくてはいけない主なケースを解説します。

●虫歯が神経にまで達してしまった場合

虫歯が歯の表面のエナメル質や、その下の象牙質にとどまっている段階であれば、神経を残せる可能性もあります。
しかし、虫歯が進行し、歯の神経にまで達してしまった場合は、神経を取り除かなければなりません。

●歯が大きく割れたり欠けたりした場合

転倒や事故など、強い衝撃によって歯が大きく割れたり欠けたりした場合、その損傷が歯髄にまで達していることがあります。
神経が露出したり、傷ついたりすると激しい痛みが続くことが多いため、やむを得ず神経を抜くことがあります。

●重度の知覚過敏で日常生活に支障がある場合

歯ぎしりや食いしばり、強い力での歯磨きなどによって歯の表面のエナメル質がすり減り、内側の象牙質が露出することがあります。
象牙質には歯髄につながる無数の細い管があり、ここから刺激が伝わることで冷たいものや熱いものがしみることがあります。

 

まとめ

歯の神経は、歯に栄養を届けて強くし、痛みを感じて異常を知らせるなど、大切な役割があります。しかし、虫歯が神経にまで達した場合や歯が大きく割れたり欠けたりした場合は、神経を抜かなければならないこともあります。
神経を抜いた歯は、痛みを感じないため虫歯の進行に気づきにくく、栄養不足でもろくなり、寿命が短くなりがちです。

しかし、大切なのは神経を抜いた歯だからと諦めるのではなく、神経を抜いた歯だからこそ、より一層大切にケアしようという意識を持つことです。ご自身の歯の状態に合わせた適切なケアを続けていきましょう。

 

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