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歯周病は一度なったら治らない?なかなか完治しない理由と治療法を解説

「歯周病って一度なったら治らないの?」
「歯周病の治療を受けているのに、なかなか良くならない」

このような疑問や不安をお持ちではありませんか?

歯周病は、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまう病気で、完全に元の状態に戻すことは難しいとされています。しかし、適切な治療とケアによって症状の進行を食い止め、健康な状態を維持することは可能です。

今回は、歯周病がなぜ「治らない」と言われるのか、その理由と治療法について解説します。

 

歯周病って治るものなの?

結論から言うと、歯周病を完全に治すことは難しいです。ほとんどの方が「歯周病=歯ぐきの病気」と考えがちですが、実は歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまう病気です。この溶けてしまった骨は、残念ながら自然に元に戻ることはありません。

しかし、歯周基本治療と自宅での丁寧なセルフケアで症状をコントロールし、進行を食い止め、健康な状態を維持することはできます。

 

歯周病がなかなか治らない原因は?

歯周病の改善を妨げる原因は一つではありません。ここでは、歯周病がなかなか治らない主な原因を解説していきます。

●プラークコントロールがうまくできていない

歯周病の主な原因は、細菌の塊「プラーク(歯垢)」です。プラークの中にいる歯周病菌が歯ぐきに炎症を起こし、歯を支える骨を溶かしていきます。

歯科医院での治療では、専用の器具を使ってプラークや歯石を除去しますが、毎日の歯磨きが不十分だと、せっかくきれいにしてもらった歯にプラークが再付着してしまいます。

歯ブラシが届きにくい場所、例えば歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目などは、特に注意が必要です。自分では気づきにくい磨き残しや正しいブラッシング方法については、歯科医師や歯科衛生士に相談し、アドバイスを受けることをおすすめします。

●喫煙習慣・睡眠不足・ストレスがある

歯周病は「生活習慣病」の一つとも言われています。例えば、喫煙は歯周病を悪化させる大きな要因になります。タバコの煙に含まれる有害物質は、歯ぐきの血流を悪くし、細菌に対する抵抗力を低下させます。その結果、歯周病が進行しやすくなり、治療の効果も出にくくなってしまいます。

また、睡眠不足やストレスも体の免疫力を低下させ、歯周病を悪化させる要因となります。バランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動、ストレスの解消、これらを心がけることが歯周病の改善にもつながります。

●歯ぎしり・食いしばりをしている

寝ている間や集中している時など、無意識のうちに歯ぎしりや食いしばりをしていませんか?これらのクセは歯や歯ぐき、顎の骨に大きな負担をかけ、歯周病を悪化させる可能性があります。

特に、歯周病で歯ぐきが炎症を起こしている状態だと、歯ぎしりや食いしばりによる過度な力が加わることで炎症が悪化し、歯周病が進行しやすくなることもあります。

歯ぎしりや食いしばり、かみ合わせの問題は、自分では気づきにくいものです。歯科医師や歯科衛生士に指摘された場合は、マウスピースの使用やかみ合わせの治療など対策を検討しましょう。

●糖尿病に罹患している

糖尿病は、血糖値が高くなる病気です。糖尿病になると体の免疫力が低下し、細菌感染しやすくなります。歯周病菌にも感染しやすくなり、歯周病が進行しやすくなるのです。
また、歯周病菌が歯ぐきの炎症部分から血管内に入り込むと全身に回り、血糖値をコントロールするインスリンの働きを妨げる物質を出すことがあります。

糖尿病と歯周病には深い関係があり、互いに悪影響を及ぼし合うのです。糖尿病の治療と並行して歯周病の治療を行うことが大切です。

 

当院の歯周病治療について

歯周病は、進行度によって症状も治療法も異なります。ここでは、初期・中等度・重度の段階別に、当院の治療方針をご説明します。

●初期

初期の段階で適切なケアを行えば、歯周病の進行を食い止め、健康な歯ぐきを取り戻すことが十分に可能です。

当院では、まず、ブラッシング指導を徹底します。歯周病の原因となるプラーク(歯垢)は、毎日の歯磨きでしっかり取り除くことが重要です。歯科衛生士がお口の状態に合わせた効果的なブラッシング方法を丁寧に指導します。

次に、スケーリングを行います。スケーリングとは、専用の器具(スケーラー)を使って歯の表面に付着したプラークや歯石を除去する処置です。

歯石はプラークが硬くなったもので表面がザラザラしているため、さらにプラークが付着しやすくなる、という悪循環を引き起こします。歯石は歯磨きでは取り除くことができないため、歯科医院でのスケーリングが必要です。

初期の歯周病であれば、これらの治療で改善が見込めます。しかし、患者様のお口の状態によってはルートプレーニングを行う場合もあります。

●中等度

中等度の歯周病になると歯ぐきの炎症が進み、腫れや出血、口臭などの症状が目立つようになります。さらに歯を支える骨(歯槽骨)が溶け始めることもあります。

この段階では、初期の治療に加えて外科手術が必要になる場合があります。

当院では、まず、初期の治療と同様にブラッシング指導、スケーリングを徹底します。その上で専用の器具(キュレット)を使って、歯周ポケットの奥深くに付着した歯石を除去し、細菌に汚染された歯の表面(セメント質)を滑らかにするルートプレーニングを行います。

さらに、患者様のお口の状態によってはフラップ手術をご提案することもあります。フラップ手術とは、局所麻酔をした上で歯ぐきを切開し、歯の根の表面に付着した歯石や炎症を起こしている組織を直接目で確認しながら丁寧に取り除く手術です。歯周病で深くなった歯周ポケットの改善を図ります。

●重度

重度の歯周病になると歯槽骨が大きく溶けて歯のグラつきがひどくなり、食事にも支障が出るようになります。また、歯ぐきから膿が出て強い痛みを感じることもあります。

この段階になると残念ながら抜歯せざるを得ないケースもあります。しかし、歯周組織再生療法で、できる限り歯を残すことも可能です。

歯周組織再生療法とは、歯周病によって失われた歯周組織(歯槽骨や歯根膜など)を再生させる治療法で、エムドゲイン法やGTR法といった方法があります。

 

まとめ

歯周病は、歯を支える骨が溶けてしまう病気であり、失われた骨を完全に戻すことは難しいのが現状です。しかし、適切なプラークコントロールと歯科医院での治療を組み合わせることで症状の進行を抑制し、健康な状態を長く維持することは可能です。

初期・中等度・重度と進行度によって治療法は異なりますが、諦めずに歯科医師と相談しながら自分に合った治療法を見つけ、根気強く治療を続けることが大切です。

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