予防・クリーニングについて
歯が痛くなってから歯科医院に来院するのではなく、痛くなる前にお越しいただければ、治療の痛みや来院回数などを最小限に抑えられます。
定期的に歯科医院で検査やメインテナンスを受けて、生涯むし歯や歯周病とは関係ない口腔環境を手に入れましょう。
歯を健康に保つ4つの条件
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感染源がない
むし歯も歯周病もお口の中の細菌によって発症する感染症です。そのため、お口の中に細菌が繁殖しないように予防に取り組めば、むし歯や歯周病で苦しむ危険性を大きく下げることができます。
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セルフケア
お口の中の細菌の繁殖は、ブラッシングなどのセルフケアで抑えることができます。とはいえ、しっかり磨けていなければ十分な効果はありませんから、ぜひ当院でブラッシング指導を受けてセルフケアの質を上げましょう。
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バランスのよい咬み合わせ
咬み合わせのバランスが崩れていると、特定の歯に負担がかかるためむし歯や歯周病にかかりやすくなります。また、食いしばりや歯ぎしりなども歯の寿命を縮めるので、ぜひ当院で咬み合わせの確認を受けてください。
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正しい呼吸法
口呼吸は口腔内を乾燥させ、細菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。口臭や口腔乾燥症を予防するには、鼻呼吸で正しく呼吸し、お口の衛生環境を保ちましょう。
当院のむし歯・歯周病予防
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ブラッシング指導
「歯磨きはしっかりしている」という人でも、磨き残しがゼロということはありません。当院のブラッシング指導は、染め出しで磨き残しを確認し、患者さんのクセを踏まえて行います。また、フロスや歯間ブラシなどの使い方も指導しますので、お口の環境を改善してからもむし歯や歯周病から大切な歯を守ることに役立ちます。
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むし歯・歯周病を調べる「唾液検査」「歯周病検査」
唾液検査
患者さんの唾液を採取し、口腔内の細菌量やむし歯リスクを測定できます。検査は自費になりますが、検査結果をもとにより効果的な治療プランの提案が可能になります。
歯周病検査
専用の器具で、歯周ポケットの深さや出血の有無などを調べます。
歯周病の進行度を明らかにするために欠かせない、重要な検査です。 -
「口腔内写真」「レントゲン写真」を使って、肉眼では見えにくい場所も確認
口腔内写真
カメラで口腔内を撮影し、肉眼では見えにくい歯の裏側や奥歯も、写真を見ながら分かりやすく説明しております。
レントゲン写真
お口をレントゲンで撮影すると、むし歯や歯を支えている歯槽骨の破壊状況も明らかになり、適切な判断とスムーズな治療の提供につながります。
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フッ素塗布
フッ素は歯に塗布することでむし歯予防に役立ちます。
フッ素には細菌の活動を抑制する作用がありますし、歯質を強化することもできるからです。また、歯の再石灰化を促進することもできるので、ぜひ定期的にご利用ください。
家でできる予防方法
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ブラッシング
食事の後の食べかすや歯垢を残留させないためには、毎日の歯磨き(ブラッシング)が不可欠です。むし歯や歯周病を引き起こす原因となる細菌の巣・歯垢を確実に除去できる歯磨きを行うことを意識しましょう。 -
歯間ブラシ、フロス
歯ブラシが届かない場所に約20%の歯垢が滞ります。これを除去するために役立つアイテムが歯間ブラシやフロスです。これらのアイテムを駆使しながら、歯の隙間の汚れをケアしましょう。
口腔内環境と全身の関係
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口腔ケアが大切な理由
噛むことの意義
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歯周病の
リスクを下げるよく噛んで食事をすると、歯並びが乱れにくくなります。歯並びが悪いと、噛む力が特定の歯だけにかかり、歯磨きしにくくなることでお口の環境が悪くなりがちです。
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脳の発育を促し、
老化を防止するしっかり噛んで食事をすると、脳に刺激が伝達されるので、お子さんであれば脳の発育を促進しますし、大人なら脳の老化防止に役立ちます。
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運動能力を
発揮する力を入れるときや瞬発力を必要とするとき、人間は歯を噛みしめる動作をします。
咬み合わせが悪いと筋肉のバランスも崩れるので、しっかり噛めることは健康に直結するのです。
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口腔ケアの効果
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むし歯・歯周病を
予防する毎日のセルフケアがしっかりできていると、お口の中に細菌が繁殖する量を抑制できます。そのため、むし歯や歯周病のリスクも軽減できるのです。
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お口の機能の維持
および回復口腔ケアは、歯の健康を保って咀嚼する能力を保つだけでなく、嚥下障害を防止することに役立ちます。
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全身疾患を
予防するお口の中に歯周病菌が多いと、脳や心臓に血栓ができるリスクが高まります。また、歯周病の炎症があると血糖値の抑制が難しくなり、糖尿病が悪化することがわかっています。
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QOLを
向上させる口腔内の機能がしっかりしていれば、食事を楽しむことができますし、会食などのストレスもないので社会性の維持につながり、QOLを向上させてくれます。
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コミュニケーションを
円滑にする口腔内の機能が悪くなると発音しにくくなることから、会話を通じたコミュニケーションに支障が出る場合があります。
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歯周病と全身疾患の関連性
歯周病はお口の中だけの病気ではありません。歯周病菌が原因となって、身体へ悪影響を及ぼすことがわかってきているのです。
歯周病と関連のある疾患
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糖尿病
歯周病と糖尿病は密接な関係にあります。
お互いの症状を悪化させることがあるので、注意が必要です。 -
肺炎
歯周病菌が誤って気管や肺へ入り込み、炎症を起こすと、肺炎を引き起こすことがあります。
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循環器系の疾患
歯周病菌が血管内に入り込むと血栓を作りやすく、心疾患・動脈硬化などの循環器系のトラブルを招きやすくなります。
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妊婦・胎児への影響
歯周病菌が、陣痛のような子宮の収縮を引き起こすことがあり、早産や低体重児出産を招くことがあります。