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舌磨きは必要?適切な頻度と正しい方法を解説

 

お口のケアといえば、歯磨きを真っ先に思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、実は「舌の清掃(舌磨き)」も欠かせないケアの一つです。
舌の表面には多くの凹凸があり、そこに食べカスや細菌、歯垢が溜まりやすくなっています。

今回は、舌磨きの意義やおすすめの頻度、正しいやり方について詳しくご紹介します。

 

舌磨きの役割とは?

舌磨きとは、専用の舌ブラシを用いて舌の表面に付着した汚れを除去する口腔清掃の一つです。
舌は一見きれいに見えても、舌乳頭と呼ばれる小さな突起が密集しており、そこに細菌や食物残渣が蓄積しやすくなっています。

「舌には歯垢がつかないし、うがいで十分清潔に保てるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
ですが、舌の表面に白っぽい膜が見られる場合、それは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる汚れであり、細菌やタンパク質を含んでいるため、歯垢とほぼ同じような性質を持っています。

舌苔は口臭の原因の一つであり、細菌の温床となることで虫歯や歯周病のリスクにもつながります。
そのため、舌を適切な方法と頻度でケアすることは、口臭予防やお口の健康維持にとって大変重要です。

 

舌磨きの頻度はどれくらい?

舌磨きが効果的なら、1日に何度も行いたくなるかもしれません。しかし、舌の組織は非常に繊細で傷つきやすいため、過剰な頻度での舌磨きは逆効果となることがあります。

例えば、毎食後に舌をブラッシングしていると、舌の上皮が摩耗して炎症を起こしたり、味蕾(みらい)という味覚を感じる組織がダメージを受けて味覚異常を引き起こしたりする恐れもあります。また、炎症により細菌感染のリスクも増します。

舌磨きの理想的な頻度は1日1回。特に朝起きた直後のタイミングがベターです。なぜなら、就寝中は唾液の分泌が減少し、細菌の繁殖が活発になるため、起床時の舌は最も汚れやすい状態にあるからです。

 

舌磨きの正しい方法とは?

舌磨きを行う際は、必ず専用の舌ブラシを使用し、歯磨きのような強い力でゴシゴシとこするのは避けましょう。
舌ブラシを舌の奥に当て、やさしく手前に引いてくるのが基本的な使い方です。

反対に、舌の手前から奥にブラシを動かすと、細菌や汚れを喉の奥へ押し込むことになり、誤嚥性肺炎などのリスクにもつながるため、絶対に避けてください。

また、「こんなに軽くて汚れが落ちるの?」と感じる方もいるかもしれませんが、舌ブラシは舌の凹凸に合わせて設計されており、数回の軽いブラッシングで十分な効果が得られるようになっています。

 

舌磨きする時に注意しなければならない事

舌磨きを正しく、安全かつ効果的に行うためには、以下のポイントを意識することが重要です。医学的な観点からも根拠のある注意点をご紹介します。

●軽い圧でやさしく磨くことが基本

舌は筋肉と粘膜から成る軟組織であり、歯のようなエナメル質で覆われた硬組織とは構造がまったく異なります。強い力でブラッシングを行うと、舌の表面にある「糸状乳頭」や「有郭乳頭」など、味覚を感知する重要な器官(味蕾)が損傷を受けることがあります。

その結果、味覚異常(味覚減退・味覚喪失)や粘膜のびらん、痛みを伴う潰瘍が生じるリスクも否定できません。
舌磨きはあくまでやさしい力で、表層の汚れをそっと取り除くイメージで行うようにしましょう。

●頻度は「1日1回」が推奨される理由

舌磨きを頻繁に行いすぎると、慢性的な刺激によって粘膜が傷つき、びらん性舌炎や接触性口内炎といった炎症性疾患につながる可能性があります。
また、強い刺激を繰り返すことで、舌の防御機能が低下し、細菌やウイルスの侵入経路となることもあります。

したがって、舌磨きは朝1回を目安に行うのが最も安全で効果的です。
特に就寝中は唾液分泌が減少し、細菌の増殖が活発になるため、起床直後の舌は最も舌苔が厚くなっているタイミングです。この時間帯に行うことで、効率的に清掃ができます。

●習慣として継続することが鍵

舌苔は1日で完全に除去できるものではなく、継続的なケアが必要です。一時的にきれいになっても、舌磨きを怠ると再び舌苔は蓄積し、口臭や感染リスクが再発する可能性があります。

とくに、免疫力が低下している方や高齢者では、舌苔の蓄積が誤嚥性肺炎のリスクにもつながるとされています。
したがって、舌磨きは「朝のルーティン」として生活に組み込むことが望ましいです。

●舌ブラシの衛生管理も怠らない

舌ブラシは目立った摩耗が見られにくいため、つい長期間使用してしまいがちですが、ブラシ部分には使用後すぐに細菌や真菌(カンジダなど)が繁殖しはじめます。
特に湿潤な環境では微生物が増殖しやすく、器具が感染源となる可能性もあるため注意が必要です。

たとえ短時間の使用でも、1日1回の使用であれば1か月を目安に交換するのが衛生的です。
また、使用後はしっかりと水洗いし、可能であれば風通しの良い場所で乾燥させるなど、日々のメインテナンスも重要となります。

 

まとめ

舌磨きは、口臭や虫歯、歯周病のリスクを抑えるために重要なケアです。
舌には舌苔という汚れが溜まりやすく、これを放置すると細菌が繁殖してさまざまなトラブルを引き起こします。

ただし、舌は歯と異なり非常にデリケートな器官です。歯磨きと同じような感覚で行うと傷つけてしまうことがあるため、専用の舌ブラシで、朝の1日1回だけ、やさしく丁寧に清掃することが基本です。

正しい方法を継続的に行うことで、より健康で快適なお口の状態を維持できます。

 

●関連ページ

→当院の「予防・クリーニング」について

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