歯科コラム歯科口腔外科
親知らずは抜くべき?
親知らずは、多くの人で20代前後に生えてくる、大臼歯です。
積極的な治療が必要な場合もありますが、特に治療が必要ではなく経過観察でいい場合もあります。
親知らずの症状の確認
まずは親知らずの症状を確認することが重要です。
以下のような症状がある場合は、早めに歯科医に相談することがおすすめです。
●奥歯周囲の腫れ、痛み
掃除が難しい親知らずの場合、体調不良や疲れたときなど、体の抵抗力が下がったときに歯ぐきの腫れと痛みが出るときがあります。
悪化すると口の開け閉めが難しくなったり、食事に支障をきたす場合があります。
●虫歯による凍み(しみ)と痛み
親知らずは患者さん自身で確認し難いため、気づいた時には大きな虫歯になっていることがあります。
●噛み合わせの問題
親知らずの生える方向や、場所によってお口全体の噛み合わせに影響を与える場合があります。
親知らずの検査(X線撮影)
お口全体のX線写真を撮ることで、親知らずの生え方、位置、隣接する歯や骨との関係などを詳しく調査します。これにより、親知らずがどの程度問題を抱えているか評価できます。
親知らずの治療方法
●経過観察
問題が少なく、特に何もしなくても良い状況の場合、継続的な観察が行われます。観察期間中も定期的な歯科検診が必要です。
●抗生物質と痛み止めの処方
炎症や感染がある場合、抗生物質や痛み止めの処方が起こることがあります。 なお、これは一時的な対処法であり、根本的な問題の解決にはなりません。
親知らずの抜歯
多くの場合で行われる対処法が親知らずの抜歯です。 特に以下のような状況では、抜歯が一般的に推奨されます。
- くり返し炎症による腫れと痛みが発生している場合
- 虫歯になっている場合
- 噛み合わせに問題が起こっている場合
抜歯は外科手術になるため、術前には詳細な診断と計画が必要です。
親知らずを抜く際の合併症について
親知らずの抜歯にはいくつかの合併症が生じる可能性があります。
●痛みや腫れ
親知らずの抜歯後に一時的な痛みや腫れが出る場合があります。
痛み止めを処方して傷が治るのを待ちます。
●感覚麻痺が残る可能性
下顎の親知らずの抜歯の場合、親知らずの位置によっては【下顎管】という管の中にある太い神経(下歯槽神経)を傷つけてしまい、下唇に感覚麻痺(しびれ)が残る可能性があります。
●鼻の穴とつながってしまう場合
上顎の親知らずの抜歯の場合、すぐそばに【上顎洞】と呼ばれる鼻とつながっている空洞があります。口と上顎洞がつながってしまうと口の中から鼻に水が漏れたり、上顎洞炎(いわゆる蓄膿症)になる可能性があります。
親知らずといえど、歯を抜くのは躊躇してしまいますよね。
しかし、抜いた方がいいと診断された場合には他の歯への影響や将来的なこと(妊娠など)も考慮し、早めに抜歯することをお勧めします。
当院でも可能な範囲で抜歯できますので、症状あるなしに関わらず、親知らずの状態を確認しておいてはいかがでしょうか。
気になる方は、歯科医師と相談していただくためにご予約・ご来院をお待ちしております。