歯科コラム
知覚過敏てご存じですか?
皆さん、こんにちは。
そろそろ、梅雨入りで雨が多くなるので気圧によるだるさや気分が滅入る方もおられる季節になっておきましたね。こういう時は好きなことをするなどリラックスしながら過ごすのがいいですね。
さて、今回はおそらくテレビで一度は聞いたことがあるかと思いますが、知覚過敏についてお話したいと思います。
知覚過敏は、「歯がしみる」「歯が痛い」という症状が出ます。健康な歯であれば、その表面のほとんどはエナメル質と呼ばれる硬い組織で覆われています。
エナメル質は人の身体で最も硬いと言われており、神経は通っていません。
エナメル質の下にあり、歯の大部分を構成する象牙質には無数の小さな穴が開いているため、食べ物の熱や刺激が神経に伝わりやすくなっています。
通常は、象牙質はエナメル質の下にあり、直接刺激が加わることはありません。しかし、加齢や歯周病等で歯ぐきが下がることによりエナメル質のない歯根部分が露出したり、食いしばりや歯ぎしりでエナメル質が摩耗したり、破折することで象牙質が露出したりすることがあります。その露出した象牙質への刺激が知覚過敏という症状として現れてくるのです。
知覚過敏セルフチェック
1つでも当てはまれば知覚過敏の疑いがあります!
- 冷たい食べ物や飲み物、熱い食べ物や飲み物で歯がしみることがある
- 歯磨き時に歯ブラシの毛先が当たるとしみることがある
- 甘いものやすっぱいもので歯がしみる
- しみる痛みは、飲んだり食べたりした後10~30秒以内で治まる
- 冷たい風に当たったときに歯がしみる
知覚過敏のよくある原因
- 間違った歯磨き
歯ブラシで力任せにゴシゴシと歯磨きをしてしまうと、エナメル質や歯ぐきが傷つき、削られてしまいます。
エナメル質はとても硬いので、数回強い力で歯磨きをしたからといって削れてしまうものではありませんが、毎日の積み重ねによって硬いエナメル質も傷つき、削られてしまう可能性があります。
また歯ぐきもあまり強い力で磨くと部分的に痩せてしまい、歯根部分が露出して結果的に知覚過敏を引き起こす可能性があります。
- 歯磨き粉
市販されているほとんどの歯磨き粉には、歯の表面をきれいにする研磨剤が含まれています。
普通に使用する分には問題ありませんが、長期間大量の歯磨き粉をつけて歯磨きを行うと、場合によってはエナメル質を傷つけてしまうこともあります。
- 噛み合わせが悪い・歯ぎしりをする
エナメル質が傷つき、削れてしまうのは、歯ぎしりや噛み合わせが悪いことが最も大きな原因であるという意見もあります。
歯ぎしりの原因は、「不安」「疲労」「ストレス」など様々ですが、歯ぎしりは直接歯のエナメル質をこすり合わせるため、エナメル質が削れたり、割れたりする大きな原因となるのです。
さらに歯ぎしりは、歯の周辺組織全体に強い力が加わるため、エナメル質が削れたりするだけでなく、歯を支えている骨までも破壊することがあり、歯周病の原因となったり、症状を悪化させる可能性があるので注意が必要です。
- 歯が溶ける
歯は虫歯から守るためにエナメル質に覆われていますが、酸によってこのエナメル質が溶かされることがあります。
すっぱい食べ物や飲み物を頻繁に長時間摂取するようなことが多々あると、エナメル質が溶けてしまい、知覚過敏になってしまうこともあります。これを酸蝕症と呼んでいます。
知覚過敏の治療方法
軽度の場合
歯ブラシは毛先の柔らかいものに替え、露出した歯の根っこの表面のプラークをしっかり取り除いて下さい。
この時、ゴシゴシと強い力を入れないように注意してください。
歯磨き粉はなるべく研磨剤無配合のものを選び、歯の根っこが削れるのを避けましょう。
また、知覚過敏防止用の歯磨き粉を使用し、正しく磨いてもらえれば1~2週間で効果が表れてくる場合もありますので、一度使用してみるのもおすすめです。
中程度の場合
知覚過敏防止用の歯磨き粉でもよくならない場合は、歯の根っこのしみる部分に知覚過敏抑制剤の塗り薬でコーティングします。
コーティングによって一層膜を張って、刺激を伝えにくくして症状を抑えます。
重度の場合
露出した部分が大きい場合は、欠けている部分に歯と同じ色をしたセメントやプラスチックを埋めて、外部からの刺激を遮断する治療を行います。
それでも症状の改善が見られない場合には、最終手段として神経を抜くことを選択する場合もあります。
知覚過敏には様々な原因がありますが、虫歯や歯周病と同じで予防が可能であることが多いです。歯ぎしりが原因の場合などすぐに対応が難しい場合もありますが、気になった場合は一度歯科医院の受診をお勧めいたします。もちろん、当院でも診察可能ですのでHPもしくはお電話でご予約ください。